迷い悪魔
- 2014年07月25日
「心こそ、心迷わす心なれ、心に心、心ゆるすな」とは先人の言葉である。
人の心は自分で完全にはコントロールすることは難しく、心には本心と妄心が存在するといいます。
本心とは、一つところにとどまらないで、身体全体にのびのび広がった心である。つまり、心身がリラックスした状態であると考えられます。
妄心とは、なにか一つのことを思いつめて、一つところにこだわり固まった心です。そんな妄心が悪魔をつくるといいます。
ある日、ご信者の女性が相談にきました。
おかげで結婚できましたが、子供が欲しいので、不妊治療を始めました。併せて漢方薬も飲んでいます。産科の医師は、(年齢的な)時間がないから、早くしないと、と人口受精を強く勧められます。
一方、漢方医は不妊治療は金儲けだから漢方を止めてはいけないといわれ、いったいどちらを信じたらいいのだろうか?と悩んでいるという。それに、漢方も月に2,3万円のお金がかかる。
どうしたらいいのか、決断できないと迷って相談に訪れてきた。
この女性は妊娠、不妊治療ということを思い詰めた結果の迷いである。
思い詰めるとは、一つのことばかりを追い求めることです。
その結果、心が固まってしまった妄心になります。
迷いに迷って決断できない。
なんとかしたい、どちらか正しい方に決めたいので教えて欲しい。 早くケリをつけたいがまた迷う。
これらは心の作用ですが、仏教では、悪魔の仕業だといいます。
人間は悩みの中に落ち込むと、いくら合理的に説かれても、心は迷うものです。そんなときは、自分の心が自分を迷わせ、悪魔を出現させているのだというのです。
迷ったときなどは、素直な心でお参りをすれば、悪魔を祓うこともできます。
彼女は話のあとで、お参りし、修法祈祷をしてあげると、スッキリとしたといって帰りました。(平成26年7月)