第十一回 座談「法華経読書会」開催

  • 2018年09月17日

日本語に訳された「法華経」を少人数で読むことを目的にしています。

・法華経を物語として楽しみながら読み終えることができる。
・法華経の読書を通じて一般的な仏教の知識を得ることができる。
・なじみの薄い経典も少人数であれば読みやすくなる。

このような内容で月1回の開催をめざしています。

60分ほどの読書のあと、60分ほど座談を行い自由な意見交換をします。

ご希望の方はどなたでも気軽に参加できます。

お問い合わせフォーム からお申込み下さい。

 

次回予定
第十一回 座談「法華経読書会」
日時:2018年(平成30年)9月27日木曜日 午後7時より9時まで
場所:長徳寺寺務所
参加費:1人500円(茶菓子・資料作成費)

 

8月30日に行われました 第十回座談「法華経読書会」開催報告

法華経読書会座談概要

長い「法華経物語」読書が続いたので、気分転換に、般若心経を読んでみた。
般若心経の教えは、法華経の理解に役に立つと考えたからである。

参加者は「色即是空」という言葉に親しみがあるようだ。
あえて、「色」や「空」という言葉の意味、解説はせずに、みんなで読み始めた。

1、一回通読のあと、話合いのキッカケにしようと、「同性の結婚には生産性がないから、税金を使う必要なない」というある議員の発言を提示して話合う。

・同性の結婚には反対である、好き同志なら、同棲すればいい。
・同棲と結婚は違う。
・制度にないものを求めることが、理解できない。
・養子という形で子供をもてば、生産性がないとは言えない。

など意見がだされたところで、「色即是空」について話あう。

・「是空」の空は空(から)っぽという意味ではないか、空(から)なら、その中になんでも入れる、吸収もできるからという。

今までの自分の考え(自分の知識、経験)を一度空にすると、新しい知識、を得やすくなるのではないか。
そうすれば、いままでの考えかたが、修正されたり、知識が増えていく。
そう考えることではないか、とする意見に接して心に深く感じた。

2、その他の経文について意見を問うと、

・「眼(げん)耳鼻(にび)舌(ぜつ)身(しん)」の意味は解らないが、なんとなく人間の欲望や存在というものを感じたという。

何を感じたのかと聞くと。

「自分は単純な人間だから、この世で幸せになりたい。死んで地獄に落ちるのはいやだから、お寺にもいき、手も合わせ、南無阿弥陀仏と唱えてる。自分の子や孫が代々続いてくれればいい」という。

なるほど、「眼耳鼻舌身」という五感は、人間の欲ぼうの根幹である。
また、「この世で幸せになりたい、自分の子や孫が代々続いてくれればいい」とは彼の存在そのものである。
彼の素朴な気づきは、的(まと)を得ていると思った。

自分の欲と、自分の子孫の永続を突き詰めていくと、それは自分の存在である。
彼の無意識が、経文の「眼耳鼻舌身」の字に反応したのだ。

 

多くの人にとっては、教義や教学は、難しい学問の世界であり、自分には無縁なものという意識を持っている。
その彼らの気づきは、合理的、論理的説明にはなってないが、仏教の教えの根っこの部分では通じてるのだろう。

「自分は単純な人間だから、この世で幸せになりたい。」「死んで地獄に落ちるのはいやだから、お寺にもいき、手も合わせ、南無阿弥陀仏と唱えている。」「自分の子や孫が代々続いてくれればいい」

という願いこそ、仏教徒の祈りである。この祈りを受け止めていこうと思った。